プロジェクトストーリー
PROJECT story

建設業界の未来を担う子供たちに、ものづくりの楽しさを伝えたい。そんな想いから生まれた、ハウスクラフトの大人気イベント「子供工務店」。今では受付開始10分で予約が埋まるほどのこの催しは、どのようにして会社の文化として根付き、社員とお客様を繋ぐ架け橋となったのでしょうか。
今回は、この「子供工務店」に異なる立場で関わってきた3名の社員、和田 亮二さん(工務部)、中川 雷綺さん(工務部)、上山 芙美さん(広報室)に、その軌跡と未来への想いを聞きました。
【座談会メンバー】
和田 亮二さん(工務部):創業初期から会社を支えるベテラン。子供工務店の歴史を知る生き字引的存在。
中川 雷綺さん(工務部):入社2年目でリーダーに抜擢された若きエース。イベントへの情熱は誰にも負けない。
上山 芙美さん(広報室):社内外を繋ぐキーパーソン。イベントを会社の魅力発信の場へと昇華させる仕掛け人。
第一章:黎明期〜感謝祭の小さな木工教室〜
子供工務店が本格的なイベントとなる前、その原点はオーナー様向けの感謝祭にありました。
「もともとは、年に一度の感謝祭でやっていた、ごく小さな木工教室が始まりなんです。当時は踏み台を作ったりする程度のものでしたね」
そう語るのは、立ち上げ当時からを知る和田さんです。会社の創業初期から続く感謝祭の中で、お客様に楽しんでもらうための一つの企画でした。
同じく工務部の中川さんは、その進化の過程をこう話します。「もっと本格的に、子供たちに“家をつくる”という体験そのものを楽しんでもらえないか、という想いが社内で高まっていったんです。それが、今の『子供工務店』の形に繋がっていきました」
ミーティングは社長をはじめとする役員は参加しません。社員たちが自分たちの言葉でイベントの未来を語り合います。子供たちの笑顔のために何ができるか、社員たちの自主的なアイデアが、このイベントを大きく育てていきました。
一方、当時この企画の運営には直接関わっていなかった上山さんは、広報としてその可能性を感じていました。「工務の皆さんが楽しそうに子供たちと触れ合っているのを見て、これは会社の温かい雰囲気を社外の方にも伝えられる絶好の機会だな、と思っていました」。社員たちの活動は、部署を超えて新たな価値を生む可能性を秘めていたのです。
第二章:転換期〜「もっと多くの笑顔のために」全社を巻き込む挑戦〜
感謝祭の一企画として数年続いたこの取り組みは、大きな転換期を迎えます。リーダーを任された中川さんは、イベントを大きく変える決断をしました。
「感謝祭だけだと、参加できるのがオーナー様に限られてしまいます。もっと多くの子供たちにこの楽しさを届けたい、会社のことを知ってもらいたいという思いが出てきたんです」
そして、外部の商業施設でイベントを開催するという挑戦が始まります。この時、社内外を繋ぐ役割を担ったのが上山さんです。
「アピタさんから子供向けの職業体験イベントへのお誘いをいただいたのが大きなきっかけでした。弊社の子供工務店の取り組みを知ってくださっていて。『ぜひ出展してほしい』と。これを機に、地域全体を巻き込むイベントへと進化していきました」
一方、このイベントの「生き字引」である和田さんは、新しい挑戦を温かく見守る選択をしました。
「リーダーは若い中川くんに任せて、僕はサポートに徹することにしました。僕たちベテランが培ってきた想いや技術を、若い世代が新しい形で発展させてくれる。それを見守るのも大切な役割だと思っています。もちろん、現場では誰よりも楽しんで手伝っていますけどね(笑)」
こうして、子供工務店は新たなフェーズへと進んでいきました。
第三章:具体的な成果〜ミーティングから生まれた変化〜
新しい子供工務店は、単なる体験イベントではありません。子供たちの笑顔は、次々と具体的なアクションに繋がり、会社の文化を豊かにしていきました。
中川さんは、いくつかの事例を挙げてくれました。
「最初は1棟だけ作っていたのですが、人気ですぐに予約が埋まってしまうので、昨年は思い切って2棟同時に作ることにしました。結果、2時間で96名ものお子さんに参加してもらえて。それでも受付開始10分で満席になるほどの盛況ぶりでした」
他にも、子供たちが職人気分を味わえるようにオリジナルのハッピを用意したり、本物のハンマーを使ってもらったりと、よりリアルな体験ができる工夫が生まれています。
「工務と広報では、イベントを見る視点が少し違うんです。僕らはものづくりの楽しさを伝えたい。上山さんは会社の魅力を伝えたい。その視点の違いが、イベントをより良くしていくんです」と中川さんは言います。
上山さんも、このイベントがもたらす効果を実感しています。「当日は、親御さんにとって最高のフォトスポットになるんです。お子さんの一生懸命な姿を写真に撮って、『後でデータをお送りしますね』とお声がけすることで、未来のお客様との自然な繋がりが生まれています」。
第四章:未来へ紡ぐ、それぞれの想い
子供工務店を通して、ハウスクラフトの社員たちは、会社の未来を自分ごととして捉え、行動しています。最後に、3名それぞれに今後の展望を語っていただきました。
和田さん「家は建てて終わりじゃない。このイベントのように、お引き渡し後もずっとお客様と繋がっていられるのが、この会社の良さです。若い社員たちが主体となってこの文化を繋いでいってくれるのが、何より嬉しいですね」
上山さん「このイベントが、多くの方にとってハウスクラフトとの最初の楽しい思い出になってほしいです。私がそうだったように、最初は引っ込み思案だった子が、この体験をきっかけに何か一歩を踏み出す、そんなきっかけの場にもなれたら最高です」
中川さん「リーダーを任されて4年目になりますが、まだまだやりたいです。子供たちの楽しそうな姿を見ることが、僕自身の仕事への活力になっています。この中から、未来の大工さんや建築家が生まれてくれたら…そんな夢も見ています」
子供たちの笑顔のために社員が自ら考え、行動する「子供工務店」。それは、ハウスクラフトという組織と地域の未来を繋ぐ、温かい架け橋となっています。