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プロジェクトストーリー

PROJECT story

会社を愛する社員たちの「ファンミーティング」が、組織の未来を創るまで

会社の成長は、時に創業時の熱や文化を薄めてしまうことがあります。社員が増え、拠点が増える中で、どうすれば創業者の想いや会社の理念を全員で共有し続けられるのでしょうか。ハウスクラフトには、その課題に真摯に向き合うユニークな取り組みがあります。その名も「ファンミーティング」。

これは、月に一度、選抜されたメンバーが集まり、会社の未来について語り合う場です。しかし、その道のりは平坦ではありませんでした。メンバーの変遷、試行錯誤を経て、このミーティングは今、会社全体を動かす大きな力になろうとしています。

今回は、この「ファンミーティング」に異なる立場で関わってきた3名の社員、福井 理乃さん(設計部)、太田 丈博さん(営業部)、福田 有記さん(営業部)に、その軌跡と未来への想いを聞きました。


第一章:黎明期〜理念を根付せるためのスタート〜

ファンミーティングが始まったのは約3年前。会社の急成長に伴い、社員数が増えたことがきっかけでした。

「人数が増えてきたことで、経営理念の浸透や社長の想いを、もう一度みんなで根付かせていこうとスタートしたのが始まりです」

そう語るのは、立ち上げからのメンバーである福井さんです。当初のメンバーは、在籍期間が長い社員や役職者が中心でした。

同じく初期メンバーの太田さんは、その意図をこう話します。「人数が少なかった頃からいるメンバーの方が、会社の新年や社長への共感、想いを強く持っている人が多いです。まずはそのメンバーで意見を交わし、どうすれば自分たちの部下やチームにその想いを落とし込んでいけるかを固めていこう、ということでした」

ミーティングは、社長をはじめとする役員は参加しません。社員たちが自分たちの言葉で会社の未来を語り合います。そこでは、かつて当たり前だった文化や価値観を再確認する一方で、失われつつあるものに気づかされることもあったといいます。

一方、当時このミーティングのメンバーではなかった福田さんは、外からその活動を眺めていました。「何してるんかな〜って、ずっと思ってました(笑)。みんなに『あれって何してるんですか?』って聞いてましたね」。社員たちの自主的な活動は、社内でも注目の的だったのです。


第二章:転換期〜「俺もファンなんだけどな」全社員を巻き込む挑戦〜

2年間、初期メンバーで活動を続けたファンミーティングは、大きな転換期を迎えます。リーダーの太田さんは、組織を大きく変える決断をしました。

「参加できない人がいたり、もっと役職がついていないメンバーや年次の浅いメンバーの意見も吸い上げたいな、という思いが出てきたんです」

そして、第17期(3年目)に入ったタイミングで、役職や在籍年数といった垣根を取り払い、公募制へと移行。「もっと自社を知りたい」「他部署と連携して会社を良くしたい」という想いを持つ14名の新メンバーで再建されました。

この時、満を持して手を挙げたのが福田さんです。

「名前が『ファンミーティング』じゃないですか。俺もファンなんだけどな〜ってずっと思ってて。それで参加したいと伝えました」

一方、創業期から会社を支え、まさに「生き字引」のような存在である福井さんは、この新しいファンミーティングには参加しないという選択をしました。その背景には、組織の未来を深く想うが故の配慮がありました。

「私が意見を発することで、若いメンバーが萎縮してしまったり、『福井さんが言うならそれが正解なんだろう』と新たな意見が出なくなったりするかもしれない、と思いました。社長が持つ根幹の想いは、やはり社長自身の言葉で伝えてもらうのが一番です。私たちがハブになることも大事ですが、時には若い人たちに場を譲ることも必要だと思いました」

こうして、ファンミーティングは新たなフェーズへと進んでいきました。


第三章:具体的な成果〜ミーティングから生まれた変化〜

新しいファンミーティングは、単なる意見交換の場ではありません。そこで生まれたアイデアは、次々と具体的なアクションに繋がり、会社のサービスや文化を豊かにしていきました。

太田さんは、いくつかの事例を挙げてくれました。

「例えば、お客様のお見送りです。昔はパートさんも含め全員で外に出てお見送りしていたのに、いつの間にかやらなくなっていました。ミーティングで『あれって、またできるよね?』という話になり、今では各拠点で全員がお見送りする文化が復活しました」

他にも、お引き渡し式で渡す記念の「ジャンボキー」を、よりハウスクラフトらしい温かみのある木製の手作りに変更したり、手形式のイベントでお子様が楽しめるようにカラフルなクレヨンを用意したりと、細やかな改善が生まれています。

「営業、スタイリスト、現場監督では、お客様と接する時に意識していることが微妙に違うんです。そういう視点の違いを知れるのが面白いですね」 と太田さんは言います。

福田さんも、このミーティングがもたらす効果を実感しています。「他部署の人がどんな思いで仕事をしているかを知れるので、それを自分のチームの若い子たちに伝えるようにしています。業務としては知っていても、その背景にある“思い”まではなかなか分からないですから」


第四章:未来へ紡ぐ、それぞれの想い

ファンミーティングを通して、ハウスクラフトの社員たちは、会社の未来を自分ごととして捉え、行動しています。最後に、3名それぞれに今後の展望を語っていただきました。

福井さん「人が増えても、お客様第一の姿勢は変わりません。どの担当がついても、お客様が『この人で良かった』と心から思える。そんな会社であり続けるために、社員一人ひとりが同じ気持ちで家づくりに向き合える環境を整えていきたいです」

福田さん「僕自身、このミーティングを通じて会社の文化や考え方を深く知ることができました。今度は僕が、新しく入ってきた若いメンバーにそれを伝えていく架け橋になりたいです。第一線でお客様と接するアドバイザーとして、ハウスクラフトって良い会社だな、と思ってもらえるように貢献したいです」

太田さん「人数が増えたからこそ、お互いをリスペクトし、頼り合える関係が重要になります。この会社で働いていることが誇りに思えるような、そんな組織をみんなで創っていきたい。ファンミーティングは、そのための大切な場所です」

会社を愛する社員たちが自ら考え、行動する「ファンミーティング」。それは、ハウスクラフトという組織を未来へと導く、力強いエンジンとなっています。

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